キャスト・アウェイ のレビュー・感想・評価

レビュー　『遭難ものの王道！』

　トム・ハンクス主演。ロバート・ゼメキス監督。

　フェデックス倉庫に務めるシステムエンジニアのノーランドが飛行機墜落事故に遭い、無人島に漂着。激闘のサバイバル生活の中、恋人のケリー(ヘレン・ハント)を思いながら「生きる」を目指す物語です。

　この映画は実在の会社を使ってるなどして、いかにも実話なのかと思わせる話ですが、まったくのフィクションだとのこと。本物っぽい演出をしてるので思わずそう思いました。

　映画の見どころとしては、無人島での生活、そして生還後の生活です。無人島での生活は、トム・ハンクスの一人芝居が続きます。火おこしや衣食住の見つけ方、丁寧に丁寧に描写されてきたかと思えば、いきなり４年後にジャンプします。いきなり、４年後って….。あまりの寂しさに、バレーボールにウイルソンと名付け、空想上の友達にします。最後の別れの時は、たかがバレーボールなのに、ドラマティックなBGMも相まって感動すらさせられます。本作屈指の名場面だと思います。

　そして、帰ってきた後。苦難のサバイバルから生還して幸せを手に入れるかと思いましたが、心の拠り所としていたケリーは既に結婚して子どももいる暮らしを。そりゃそうだよね、しょうがないねとケリーも何かただ良い人で、トムも良い人でお互いの幸せを願って別れるシーンは地味だけど良いシーンでした。

　ラストは荷物を届けておしまい。

　一番良かったのは、生還した理由が受動的に発見されるのを待つのではなく、筏を作って能動的にトムが行動を起こした結果、生還したのだという話の展開。納得感があって４年後という突然の時の経過の強引感が少し薄れる気がしました。

印象に残ったフレーズ

トム「I used to avoid going to the dentist like the plague」

歯医者に行くのが大嫌いだった。like the plagueでavoidの意味を強調し、まるで疫病にでもかかっているかのように近寄らないという意味です。この後、非常に痛いシーンが訪れます。

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