ドント・ブリーズ のレビュー・感想・評価
レビュー 『強盗VS盲目じいちゃんの戦い!』
盲目の元軍人宅に素人強盗3人組が侵入し、強盗VS盲目じいちゃんの戦いが描かれる話。
話のつかみは、強盗達の貧困を描き、また人間臭さも少なくとも2人は描いているので全く感情移入できないこともないが、侵入してから冷静に考えるとおじいちゃんは何も悪くない、頑張れよって思いながら見た。
ラストのロッキーの行動は中々共感できないものなので、主人公サイドかもしれないが、ああやって少し後味悪い感じで終わらせてくれたのも良かった。
家の構造が素晴らしい。強盗が侵入してから長回しの1カットが入るのだが、そこで家の構造の説明、容易には脱出できないことと意味ありげなアップで、これからの展開を暗示しているのが良い。
後半はそれがここでこう使うのかというのがスポッとハマって面白かった。
中盤の捻った展開で、じいさん悪くないけどちょっとヤバいやつじゃないかと思ってたのが変態で強烈に引かせてくるのは面白い。盲目なのにこんな強いってありなの。犬映画としても良い。
飼い犬は最初だけかと思ったが、結構ちょくちょく出てきて、じいさんの大事なパートナーってのが分かる。
こんな犬って強いのかでも、殺すのは躊躇するよなっていところから虐待ギリギリの回避が色々気を使っているのだなと思った。
唯一まともっぽかった青年は善と悪との間で中途半端に揺れながら、結局その中途半端さゆえに最期を迎えるのが無情さを感じた。
娘を奪われた父親はここまで歪むのか。ここまで大事に思っていた、大切な存在を亡くした人が抱えてしまった心の闇、盲目のじいさんにとって娘を奪われたのは光を失うことだったのだろう。
だからここまで狂気を抱えた存在になるのかと考えると爺さん側に共感はする。
スリラー映画だがちゃんとなぜ警察呼ばないのかとか、拳銃撃っても周りに人がいないから、誰も来ないとかの状況説明がサラッとしながらもスマートに説明していてよかった。
霊的な怖さはないのでホラー映画とはいえないが、ドキドキ感スリルを味わう映画ではある。
満腹です。
色々やれることむしろこの設定でここまで色々やり方変えてやれるのがアイデアが凄いと思った。
ストーリーも一直線に進むからわかりやすいし、家の構造も広いのがアメリカだからなのだろうと思うけど、何気ない部屋がちゃんとスリルを高める効果となっているのが美術が素晴らしいと思った。
ちょっとホームアローンっぽい!?
侵入者を家主が撃退する映画ということでホームアローンっぽいと思ったけど、そうでもないよな。
スリラー映画だね。ドキドキさせるのがうまいしキャラの使い方がちゃんとそれぞれの役割分担できてる。
じじいの背景は小道具で説明するのもうまい。あんましゃべらせない。
実際扉はいくつもあるだろうが見せ方がうまい。最後は復讐するのが怖い。
狂気、ロッキー嫌い、ファーストカットでの不穏な結末を描く比喩も素晴らしい、霊を出さずに生きてる人間の狂気が怖いというのがテーマなのかな。
最後、じいさんは私刑に行くだろな、そう思わせる主役の演技が素晴らしい。75点。
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【映像特典】
- フェデ・アルバレス監督とキャスト&スタッフによる音声解説
- 逃げ場のない家
- 闇を抱えた男
- 後ろ暗いキャラクターたち
- 盲目の男の家
- サウンド~家が歌う恐怖
- 未公開シーン (フェデ・アルバレス監督による音声解説付き) (計8種)