【11】美味しんぼ(1998) 第1話~第5話 感想

第1話 究極のメニュー ⭐⭐⭐ 【ワインと豆腐に旅をさせるな】

 東西新聞社は創立百周年記念事業として「究極のメニュー」作りを企画します。要は、後世に残すべき世界中の美味しい料理を紹介しようっていう企画です。

 当然、メンバーには「味」が分かる社員が必要。東西新聞文化部は、3種類の豆腐と水の産地を当てるというクイズを出したんだけど、これに全問正解したのが2人。社内ではぐうたら社員と呼ばれている「山岡士郎」と新入社員の「栗田ゆう子」。この2人のコンビ誕生が描かれた第1話となります。

 大原社主は、企画にあたり「食通」にも声をかける。「食通」たちはフォアグラ、キャビア、ツバメの巣など高級食材を並べますが、山岡は「中身じゃなく名前をありがたがっているだけなんじゃないの」と一蹴。彼が出した料理は「アンコウの肝」。これが何とフォアグラよりうまかった!

 大原社主は、「自分の舌にかけて新しい美味しさをみつけようっていう気概」のある人物が今回の企画にふさわしいと判断し、食通たちをメンバーから外すことにします。一方、この企画には山岡は乗り気ではない模様。

 アンコウの肝って食べたことないなあ。どんな味なんだろう?コクのある味わいはフォアグラには劣らないようですが・・・

第2話 士郎対父・雄山 ⭐⭐⭐ 【天ぷらは人間の五感の全てを駆使する極めて高等な技術だ】

 山岡と栗田のコンビで「究極のメニュー」作りがスタートするが、山岡は企画に否定的でなかなか進まない。

 その原因は、彼の父親「海原雄山」が関係していた。海原雄山は政財界のトップレベルを会員とした「美食俱楽部」の主催者でもある一流の美食家である。しかし、味に異常なまでにこだわり、その為に家庭崩壊の原因を作ったとのこと。父親と山岡には確執があった。そんな山岡と雄山の親子関係が描かれた最初の回。

 今後、この2人の対決が物語の中心に描かれていくことになる。

 他にも、京都の億万長者「京極万太郎」、銀座のホームレス「」、銀座の日本料理屋「岡星」の若大将、今後の準レギュラーメンバーが数多く登場します。

 「土佐の丸干し」を食べているときのサクサク感がホントに美味しそうでした!イワシの煮干しみたいなものなのかな?旨味が凝縮されているそうです。

 

第3話 野菜の鮮度 ⭐⭐⭐ 【野菜は土から抜けば死ぬんです】

 山岡と栗田は、「新鮮」を売りに銀座にオープンしたデパートを取材することに。売り場には、数多くの野菜や海鮮がそろっていましたが、山岡はそれらが実際は新鮮ではないことを見抜きます。

 社長の「板山秀司」は激怒。東西新聞への広告出稿を止めると言い出す始末。それに対して、山岡は野菜の活け造りを振舞うことを企画する!

 野菜っていうのは生きているということを再認識しました。確かに言われてみればその通りですな。「ダイコンの活け造り」は刺身みたいだな。

 デパートの出店料を考慮すると値段が本店と変わらないのはおかしいと見抜くのはまあその通りではあるけれど、そうなのかなと思った。

第4話 活きた魚 ⭐⭐⭐ 【血抜きをすると、色も変わらず臭みも出ず鮮度が保てるのです】

 大日エレクトロンのゲストハウスが完成した。関係者を集めて黒田社長自らが料理を振舞うことに。山岡と栗田は、「シマアジの活け造り」を食べる。

 そこに居合わせた、社員の息子のさとるは「ちっとも、おいしくない」と正直に言う。黒田社長は怒るが、山岡はさとるに同調して更に社長を怒らせてしまう。

 口で指摘しても分からないだろうと、山岡は翌日、より美味しいシマアジを食べさせると宣言する。

 山岡と栗田が向かったのは三浦半島の三崎漁港。そこで新鮮なシマアジをその場で活〆にして持ち帰る山岡。

 シマアジ対決の結果は、山岡の勝利。

 黒田社長は生きたシマアジを使ってはいたが、エサやりをしていないやせ細ったシマアジで気が抜けたような味になっていたことが敗因だった。敗北を素直に認める黒田社長も良かったですね。さすがに大物。

 「血抜き」・・・魚の急所は「エラと胸ビレの間」と「尾ビレの付け根」。ここを締めて血を抜く。こうすることで、血液中に含まれる酸素がなくなり、菌や細菌の繁殖を防ぎ腐敗を遅らせることができるようだ。また、魚が暴れると旨味成分が消滅するのですぐ締める必要がある。

 最後のイワシの塩焼きは活〆というズッコケオチは、いわしは小型の魚だから一々、活〆しないよということなのかな。

第5話 そばツユの深み ⭐⭐⭐⭐ 【一番粉←むき実から最初に挽き出された胚乳の中心部分】

 山岡と栗田は仕事帰りに屋台で食事をとることに。そこに珍しい日本そばの屋台があった。そこで元大工の花川に出会う。花川は素晴らしいそばを作るが、「そばツユ」の味が追い付いていないと山岡は指摘する。

 そこに居合わせた中松警部も同じ指摘。更に屋台は営業許可証がまだ発行されていないことも判明する。

 1か月の間にツユの味が改善しなければ営業許可証を出さないと条件を出す中松警部。

 独学で学んできた花川は悪戦苦闘しながらツユを作るが納得できるものは作れない。

 ある日、客としてきた浅草の有名なそば店「大木屋」店主に招待を受けて、そばつゆの味付けを披露することに。

 披露後、大木屋のそばつゆの作り方も見せてもらうが、手間と時間を惜しまずつくる「ツユづくり」に衝撃を受ける。

 自分の未熟さを痛感した花川は徹底的な煮だしを学びツユの味を改善したのだった。営業許可証もおりて、めでたしめでたし。花川は良い若い衆ですね。

 「ゆでたそばは水洗い」が大事。日本の水は軟水でそば作りにも適しているようです。花川のそばは、明治神宮御苑の中にある「清正の井戸」っていう由緒正しい水で仕上げているから、麵が引き締まって茹で伸びがなくなるような感じなんですね。

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