X　エックス のレビュー・感想・評価

レビュー　『ラストが最高なホラー映画！』

　A24制作。2022年3月18日米公開。

　監督はタイ・ウエスト。

　1970年代のテキサス。田舎の老夫婦の家を借りてポルノ撮影をしにきたクルーたち。実はその老夫婦は殺人鬼で…というスラッシャーホラーです。

　視覚的な恐怖だけではなく、この作品には人間誰しも持っている『老いに対する恐怖』を描いており、ホラー映画では見たくないものを見せられているシーンが出てきますが、この映画も見たくない（誉め言葉です笑）シーンがたくさん出てきます。

　全体的にゆったりとしたテンポで進みますが、上映時間は105分ですので、集中して見れる丁度良い時間です。

マキシーン達　若者の生き方に共感『自分らしく生きる！』

　劇中の女優　ボビー・リンが正直に言うセリフ

　『教えてあげる。古臭いしきたりに縛られていたら何もできないの。たかがS●Xでしょ。愛とS●Xは全然違うし、欲望はコントロールできない。無理に抑え込むなんて体に悪いよ。みーんなS●Xが好き。そういうもんよ。』

　撮影クルー達の価値観が分かるセリフ。ここまで言い切ると清々しさを感じます。

　その他、ワニの沼の俯瞰ショット、映画内映画を入れる構成、足の裏に釘、保安官の決め台詞、印象的で痛快なシーンが随所に見られます。

　終盤には俺は一体何を見せられているんだという気まずいシーン（トラウマ😱）が出てきます。これも序盤の若者のシーンと対照的ですが、中身は同一な訳で、ある意味感動シーンといえるかもしれません。

まさかの配役！？　ミア・ゴス

　主役のマキシーンを演じるのはミア・ゴス。『私らしくない人生は受け入れない』何度か繰り返されるこのセリフは彼女の決意の高さを表しており、印象的でした。

　そしてやはり、この映画で一番印象的だったのは、殺人鬼のおばあちゃん（パール）。パール役は是非エンドロールで確かめてみてください。彼女の今後の出演映画にも注目です。

　この作品は3部作のうちの1作目です。2作目「パール」は本作の過去を描く作品です。2023年に鑑賞しましたが、こちらも必見です！

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