堺雅人の存在感に爆笑!映画『プロメア』
作品紹介 消防士要素薄め、キャラ濃いめ!
監督は今石洋行。脚本は中島かずき。2019年に映画館で鑑賞後、Amazonプライムにて2回目を鑑賞しました。1回目は途中で寝てしまい内容は殆ど覚えていなかったため新鮮な感覚で鑑賞することができました。
お話は、身体から自然発火する「バーニッシュ」と呼ばれる特異体質を持った人間と普通の人間が存在する世界で、バーニッシュの起こした火災を消火する消防士「ガロ」の活躍を描いた物語です。
「消防士」映画か!と期待していくと、肩透かしを食らいますので要注意です!炎も赤くないですし…
派手な映像表現を「見て」、澤野弘之の音楽を「聴いて」楽しむ映画、一方お話は…
プロメアというカタカナのタイトル、個性的なキャラ達、ロボット作品と一見難解な要素がある話かと思いますが、全然そんなことはなく、お話自体は至極単純で小学生でも理解できるストーリーです。世界観は独特ですが、ひたすらノリと勢いでストーリーは進んでいきます。一方、詰め込みすぎ感は否めなく、キャラもたくさん出ている為、それぞれの掘り下げがもう一歩足りない感じがして勿体なさを感じます。監督は「天元突破グレンラガン」の今石監督ということで、グレンラガンを思われるというか、そっくりなシーンがいくつもあります。
この映画で唯一印象に残ったのは、堺雅人役のクレイフォーサイト。初登場時から、黒幕感が溢れ出ている存在感は衝撃的でした。上映中は、堺雅人の顔が脳裏にちらついて中々集中できなかった。彼なりに人類の存亡の危機に立ち向かっている姿には、ガロより応援したくなります。滅殺開墾ビームのシーンはホントにくだらなかった笑
この映画はストーリーを期待するよりは、アニメーションとしての動きと澤野弘之さんの「お洒落な音楽」を楽しむ映画かなと思います。その意味で、劇場で鑑賞する価値がある映画かなと思います。
特に、前半のチームワークでの人命救助シーンはちゃんとレスキューしていて良かったなと思います。一方「ガロ」というヒーローを描くのなら、もっと一般人を描く描写を増やしてほしかったです。一般人を描くときは残酷描写ばかりなのも気になりました。ガロもバカはバカでもちゃんと考えているバカなのかなと思ったら、行き当たりばったりのただのバカで、空っぽな人間にしか見えません笑。リオの方がメイン主人公感がありました。
終盤、物語の核となる部分を説明するシーンがありますが、ガロも寝てたし、中途半端に入れられてもすぐ忘れるので、重要なシーンの割には不要だなと感じました。このシーンは制作陣から「細かいことなんて気にするな!」と言われているようでしたが、あれだけ残酷な描写をしてながら、それはないだろとツッコミを入れたくなります。
映像表現というと、画面の構図が凄いと感じました。あれだけハイスピードなバトルや、独特な色使いをしていると、見ていて何が何だか分からなくなるシーンも多くなるが、しっかり形あるもののと空間との関係が、細かく考えられていることが伺えて、映像作品を作る人の教材としても使えそうです!ただ色彩は凝っているのは分かりますが、炎は、ピザ屋の炎みたいにしっかり赤く描いてほしかった。氷の青とも紛らわしいです。
好みの分かれる映画かと思いますが、ここまでビジュアル的に個性的なオリジナル長編アニメは中々無いと思いますので、「グレンラガン」好き、「澤野弘之」サウンドが好きな方は楽しめるかと思います!
好きなセリフ
ガロ「お前だって頑張ってるよ。アイナはアイナだ」
アイナ「(*’▽’)」